第80話 首都ボザーダイアの襲撃

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 カリンも力なく言った。  それからしばらくして、隣からすやすやと寝息が聞こえてきた。  なんだかんだ、寝てるじゃねーか。  シックザールを抜けて、海を渡る旅。  疲れていたんだろう。  翌日、日の出とともに、ゴニカの町を出発した。  お昼前には、ゾクラナ帝国の首都ボザーダイアが見えてきた。 「なんだ?」  遠くからでもわかるように、あちこちから煙が昇っている。 「あきらかに、異常だな」  町に近づいていけばいくほど、獣が吠える声や人の悲鳴やなにかが壊れる音が響いてくる。 「いったいなにが起きてる?」  リフィーの首カゴからひょこっと顔を出しているカリンが、心配そうな顔を向けてきていた。 「キール、なんか黒いのがいっぱいいる。ほら、あそこ。あっちにも」  エレナが背後から指差してくる。  人の2倍、3倍はある四つ足の獣が町の路地を走り回っていた。  それらを捕まえようとする兵士は、黒い爪でやられてしまう。 「うぎゃーーー」  ひときわ大きな男の声が響いてきた。 「兄さん、人影が兵士を切っている」 「あぁ。間違いない、闇の騎士だ」
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