第1章 賞金稼ぎと姫 第1話 暗黒騎士パーティー追放

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第1章 賞金稼ぎと姫 第1話 暗黒騎士パーティー追放

「キール・ハインド。暗黒騎士パーティーにふさわしくないお前には、今をもってパーティーから離れてもらう」  リーダーのスレッグから、俺は突然の追放宣告を受けた。 「は? 今、みんなで死霊の山の偵察から帰ってきたばかりで何を言っている? 冗談だろ?」 「本気だ」  黒い兜の隙間から俺を見るスレッグの目は、冷たかった。 「パーティーを追い出される理由がわからない。今日だって、俺は一人先にルートの偵察してマップを広げた。パーティーに貢献している」 「キール。20才過ぎのお前をパーティーに加えて2年と少しか。お前に暗黒を扱う素養がないことにもっと早く気づくべきだったよ」 「いや、待てよ、スレッグ! 俺だって暗黒は使ってきたし、パーティー技にだって暗黒を放出してるだろっ」  俺はギルドのテーブルを叩くようにして立ちあがった。 「お前がもっと強大な暗黒の力を制御しうる者だと思っていた。しかし、待てど暮せど、たいして暗黒の力を増やして自分を追いこまない。それでは真の暗黒使いにはなれない。期待していた俺が悪かった」 「何を言っている……」
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