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さなぎ汁
小学生の頃、飼育していたカブトムシの幼虫がさなぎに変体していた。
軽く突っ突くとクネクネ動いて可愛い。
初めての経験に歓喜の舞をしていて、その時に蹴ったボールが
さなぎの飼育箱に命中した。
恐る恐る様子を見てみると、さなぎに亀裂が入り、
白い牛乳のような体液が流れていた。
さなぎをダメにしてしまったショックよりも、
動くさなぎの中身が全て液体だったことの方が衝撃が大きかった。
あの液体をザリガニで取った型に流し込んだらどうなるだろう?
クヌギの木に止まる謎のザリガニが羽化するのか、
そういった思考の方が大半を占めていた。
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