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「奥州学院の考古研の方ですよね? 初めまして。綿原光一(わたはら・こういち)です。青い森大学一年目です。よろしくお願いします」
キムテンが彼を紹介するよりも早く、スマートに挨拶する。イケメンの上に性格も良さそうだ。こんな友達が欲しい。
「こうちゃん、また背伸びだ?」
「おめが縮んだんでね?」
「むがづぐー」
段々とキムテンの津軽弁指数が高くなっていく。津軽の若者はイントネーションを隠すことなく、笑顔で叩きあっている。本当に好き同士なのかも知れない。僕は岩手訛りが恥ずかしくて、仙台では隠すように意識している。二人を見ていたら、却って僕の方が格好悪い気がしてきた。かつて文化の中心だった民の末裔のメンタルは強いんだな。
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