04.雪女

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 綿原君と部長が先を急ぎ、僕達は三人で並んで歩いた。キムテンは白い世界でガイドをしてくれた。 「一説によると、この寒さで三内丸山は終わりを迎えたんだって」 「僕もその縄文人の気持ちが分かるよ。寒すぎでしょ」  三内丸山遺跡終焉の理由は、恐竜の絶滅同様、諸説あり、誰も解明はできていない。だからこそ、あれこれ仮説を立てて考察していくのが楽しい。歴史の空白を埋める空想トークをしていると、先行する二人が足を止め、待っているのが見えた。部長達の先から巨大な木造建築物が僕達を見下ろしていた。白い闇の中でうっすらと。
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