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05.六本柱
六本柱――この遺跡のシンボルである大型掘立柱建物――は雪化粧をしながらも、まるで守り神のように威風凛然と佇んでいた。
「ほんにこっだなかだぢっこかわがんねはんで」
「こうちゃん。興奮して何言ってるか分がねじゃ、伊桜ちゃん達」
「わりぃ、んだんだ。……本当にこんな形だったかは、分からないけども」
縄文時代にこんな建物があったなんて胸アツすぎる。三層の床が敷かれた四層構造で、現在の建物で換算すれば五階建て相当だ。発見されたのは、柱跡だけなので、実際には床や屋根があったのかは分かっていない。柱だけだったかも知れないし、神殿のように装飾が施されていたかも知れない。
「ピラミッドやストーンヘンジは太陽や星の運行を観測する施設って説があるけど、これもそうなのかな?」
「柱の主軸の向きや傾きから、夏至の日の出方向とか冬至の日の入り方向に関係していたとする説もあるはんで……」
彼は異論を持っている様子だったので、「綿原君はどう思うの?」と促した。
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