05.六本柱

3/4
前へ
/68ページ
次へ
「縄文尺ってことか。浪漫がありますよね!」 「菊池、もっと言えば、縄文語だってあったのかも知れないぞ」 「え?」 「考えてもみろよ。何百人と住んでいたコミュニティだ。物々交換だって、狩猟の役割分担だって、建築物の現場監督だって、言葉がないと大変だろう」 「確かに。文字はないけど、言葉はあったかも知れないですね。遠方のヒスイがイマイチだったら、クレームつけたいですし」 「クレームって。お前がこのムラに居たら、日本史上初の村八分だったかもな。わはは」 「なんでそんな嫌な奴キャラなんすか」  当時の人口密度を考えると、三内丸山遺跡の人口は別格だ。それだけ人が居たら、縄文語も存在しただろうし、天才的な技術者やカリスマも居たに違いない。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加