居酒屋で

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俺は田中誠二(たなかせいじ)。 今日は親父の法要で、兄の彰一(しょういち)と久しぶりに会った。 「何年振りかなぁ?」 「前からだと7年振りかなぁ」 本当に、久しぶりだったため、ちょっと飲みに行こうと、話が盛り上がり、俺は嫁を置いて兄貴と飲みに出た。 兄の彰一は、離婚しており今は独り身。 気楽なもので、趣味に没頭できる羨ましい独身貴族だ。 「変わりはないか?」 「あぁ、特別はな。子供が思春期に入って、嫌われてるぐらいかな?」 「父親は損するなぁ」 苦笑しながら言われるが、正常に育っている証拠だと思っている。 近況報告から、仕事の話やらほど程に酔いが回ってきた頃、 「そういえば、姪っ子ちゃんはおっきくなったな」 「友美(ともみ)か?そうだな、もう14歳だからな」 しみじみと娘の小さい頃を思い出す。 「前の時が7歳か」 「可愛かったなぁ、お肌もプリプリで」 ん?なんか違和感 「ほっぺたなんか、ほおずりしたら気持ち良かったのに」 えっ?兄貴? 「何で年取るとあんなにタルタルになるなかねぇ」 イヤイヤイヤ、アニキ、モシカシテ、ソッチノケ?
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