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「今宵の月を何と準えようか」
すっかり闇に染まった帰り道、ぼんやりと雲間から覗く光が視界に入り、視線をそちらに向ける。それは月光という言葉からイメージされる様な神秘的なものではなく、禍々しさを覚える赤みのあるものだった。しかしながら、温かな光も確かに存在しており、赤い月と形容するには不完全で物足りなさを感じる。
雲が風に流され、黄赤色の丸が現れた。
「あ、新鮮で濃厚な卵の黄身だ」
既視感の正体に気付いた途端に空腹のサイレンが鳴った。それがスタートの合図となり、先程まで止まっていた景色が再び動く。帰ったら卵ご飯を食べよう。
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特に一次創作のワンシーンという訳でもない日常の出来事。
月が不思議な色で、中途半端とも取れるのですが私は綺麗だと思いました。
ちなみにこの日はカレーを食べました。
2021.07.26 公開
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