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「ミリちゃん……?」
私の袖を引くサーシャに首を振り、部屋を出る意志はないことを伝える。
そんな私の気持ちを尊重してくれたのか諦めたのか、サーシャとマリーさんは何も言わずに寝室を出て行く。
セリーナさんと2人きりになった室内で、ゆっくりと近付いていく。
その気配に気付いたのか、セリーナさんの肩がピクっと動く。
「放っておいてって言ったでしょ?私の言うことが聞けないの?」
「すみません、その命令は聞けません。」
「ミリに話すことなんて何もないわよ。だから出てって。」
再び告げられる完全な拒絶の言葉が胸に突き刺さる。
すごく悲しくて辛いけど、私以上に辛そうにしているセリーナさんを放っておけるはずなんてなかった。
「なんでそんなに辛そうにしてるのか教えてくれませんか?」
「なんでもない。」
口ではそう言うセリーナさんだけど、どう見たってそんなことない。
その言葉を私が信じると思ってるんだろうか。
納得すると思ってるんだろうか。
セリーナさんにとって、私は……。
「私はそんなに頼りになりませんか?
信頼に値しませんか?」
「そういうことじゃない。」
言葉では否定されても、何も話してくれない現状が。
何も出来ないでいる現状こそが。
全ての真実を物語っているかのようで、ただただ悲しくて苦しかった。
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