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「ふざけないでっ!!!!!」
声を荒らげていたセリーナさんの音量を上回る声で、その声を黙らせる。
「何よそれ、何なのよ。
私達のこと、バカにしてるの?」
「ミリ……?」
セリーナさんが呆然としてるけど、そんなことどうでも良かった。
仕えている主だとか、そんなこともどうでもいい。
「あなた1人が不幸になって?
それで私達は何事もなかったように幸せに暮らせって?
それ、本気で言ってんの?」
「貴女、それはどう言う……。」
何かごちゃごちゃ言ってるけど、そんなの私は知らない。関係ない。
「セリーナさんが不幸になってるのに、それを無視してお気楽に暮らせるような人間に私達のことが見えてるのかって聞いてんのよっ!!」
「わ、私はそんなことは……。でもそうするしかないんだから仕方ないじゃない!」
セリーナさんも負けじと声を荒らげてくるけど、そんなことに構うつもりはない。
「仕方なくなんてないっ!
なんで1人で勝手に決め付けて諦めてんのよ!
王太子だってラッセル様だって変わったの忘れたの!?
だったらまだわかんないじゃん!!」
「それは……。でも、そんな不確かなことに貴女達の未来を賭けられる訳ないでしょ!?」
あぁ、まだわかんないのかこのお嬢様。
私が言ってるのはそういう事じゃない。
「でもじゃないわよ!
セリーナさんが幸せにならないなら、私達だって幸せになんかなれないって言ってんの!
なんでそんなこともわかんないのよ、このバカっ!!!」
「バ、バカって、貴女……!!」
私の言葉に反発したセリーナさんが何か言おうとした時。
閉じていた寝室の扉が静かに開かれた。
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