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「さて、ミリで遊ぶのはこれくらいにしましょうか。」
手をパンパンと叩いてやいのやいのと騒いでいる私達に言うと、みんなにソファに座るように促すセリーナさん。
もう少し言い方ってものがあるんじゃないかとは思うけど、そんな事を言ったら更に弄られそうだから大人しく従う。
「殿下とのことなんだけどね。」
いつの間にかマリーさんが用意してくれていたお茶を飲んでほうっとひと息吐くセリーナさん。
「やっぱりすぐに和解どうこうっていうのは無理かな。みんなには申し訳ないけど。」
その言葉に、仕方ないかなとは思っても、やっぱり残念に感じてしまう。
そんな私達の気持ちを察してか、セリーナさんは務めて明るい声を出す。
「誤解しないでね?もう私だけが破滅すればいいとか、そう言う事を考えてじゃないの。
ただ、今すぐは私も気持ちの整理がつかないし、何よりやっぱり強制力がまだ怖いわ。」
「それじゃあ?」
私言葉に頷くセリーナさんの瞳に強い意志が宿る。
「まずは今抱えている色々な問題にきちんと決着をつけましょう。
そうしてもう大丈夫だって思えたなら。
その時には、また改めてきちんと殿下と話すわ。
みんなに約束する。」
その言葉に、みんなの表情が一気に明るくなる。
きっとこれからも色々大変だろうとは思う。
だけど、みんなで笑って幸せな未来を掴むための第一歩には違いなかったから。
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