15章

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そうして小公爵様とラッセル様に手紙を出して数日、早速小公爵様から返事が来た。 豊穣祭が終わってしばらく経つけど、小公爵様がまだ王都に残っていたことも幸いした。 神殿へは小公爵様も同行したかったみたいだけど、流石にこれ以上公爵領を空けている訳にはいかないから同行出来ないことへの無念の気持ちが手紙に延々と綴られていたらしい。 それを読んだセリーナさんは少しげっそりして見えたけど、一先ずは神官様と連絡が取れ次第改めて手紙をくれるとの事だったので一安心。 一方のラッセル様は、話すこと自体は問題ないが、直接詳しい話が聞きたいから会いたいとの申し出が来た。 これは私が手紙をラッセル様の寮へ届けに行った時にご本人から直接言われたんだけど、先日の王太子とのお茶会の時のセリーナさんの様子を見て心配してくれている部分が大きいみたい。 学内で顔を合わせる機会はあったみたいだけど、周りの目もあるからあまり話せていなくて気になっているんだとか。 セリーナさん自身もラッセル様にも心配と迷惑をかけてしまったという気持ちが強かったらしく、その申し出はすんなり了承してくれたしね。 何故かサーシャもその場に同席すると強く主張して来たので、それでは三人でお茶会をしましょうということになった。 そうして迎えた今日。 授業終わりに集まるということなので、いつもの東屋にお茶会の支度をして待機していると、何やら楽しそうに会話しながら歩いて来るサーシャとラッセル様の姿が見えて来た。
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