08.伊吹と芽生と萌花/エピソード3

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さっきまで良い雰囲気で熱いくらいだったのに、一気に部屋の体感温度が下がった。 すぐ隣に座っていたこの子が冷ややかな目をして、突然腰を上げて距離を1人分空けて口を開く。 「あーあ、私も萌花みたく可愛くなりたい」 「……芽生ちゃんも可愛いよ」 「どうせ、萌花のが可愛いんでしょ?」 「まぁ、萌花は世界で一番可愛いよ」 「はいはい、可愛いですよねー」 「ふふっ。でも、芽生ちゃんが世界で一番大切だからね」 萌花が大きな瞳を細めて、にっこりと完璧な笑顔を見せる。 「な、なによそれ」 「芽生ちゃんがいなきゃ生きてけないってこと」 芽生ちゃんの柔らかい頬に手を当てれば、一瞬戸惑うように自身の目を見開いた。 そして、呆れたように息を吐いて笑ってくれる。ゆっくりとキスを落とせば、その柔らかな頬が一気に桃色に染まっていく。
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