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さっきまで良い雰囲気で熱いくらいだったのに、一気に部屋の体感温度が下がった。
すぐ隣に座っていたこの子が冷ややかな目をして、突然腰を上げて距離を1人分空けて口を開く。
「あーあ、私も萌花みたく可愛くなりたい」
「……芽生ちゃんも可愛いよ」
「どうせ、萌花のが可愛いんでしょ?」
「まぁ、萌花は世界で一番可愛いよ」
「はいはい、可愛いですよねー」
「ふふっ。でも、芽生ちゃんが世界で一番大切だからね」
萌花が大きな瞳を細めて、にっこりと完璧な笑顔を見せる。
「な、なによそれ」
「芽生ちゃんがいなきゃ生きてけないってこと」
芽生ちゃんの柔らかい頬に手を当てれば、一瞬戸惑うように自身の目を見開いた。
そして、呆れたように息を吐いて笑ってくれる。ゆっくりとキスを落とせば、その柔らかな頬が一気に桃色に染まっていく。
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