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――――じゃあな、地上で会おう。
ぼくらはそう言って会話を打ち切り、それぞれのIDが割り振られたブラックボックスの中に納まる。
ブラックボックス。その名の通り、黒い箱。
ぼくたち制御員はこの中に入った後、たくさんの神経接続装置にチューブで繋がれる。延命治療を受けるわけでもないのに。
「歩くことができますよ、少尉。こんな形ではありますが」
数分前、”真っ赤な悪夢”からぼくを呼び戻してくれた少年。
今は機兵との”繋ぎ”を手伝ってくれている。
ぼくは両足の機能を喪失しているから、その部分の神経回路を回避し、新しく回路を作り直す必要がある。
だから、他の要員よりも機兵との接続にどうしても時間がかかってしまう。
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