第3話:少年とマッチョ

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「なーんだ、そうだったのか、良かった」 「樹くん、早とちりは止めてくれよ」 「すいません」 「あははは」 「あははは」  樹は岩渡と和やかに笑いあう。  だがその肩をお姉ちゃんがちょんちょんと突っついた。 「ねえ、いいの? 時間」 「ん? あ、ああああああ!」  樹は思い出した。試合の時間が迫っているのだった。 「おじさん、大変だよ。試合が始まっちゃう」 「なにを言ってるのさ。まだ時間はたっぷり……」  言い掛けた岩渡は自分の腕時計を見て固まった。 「この時計……、と、止まっている……!」  そういうオチだった。 「急いで!」  樹たちは試合会場に急いだ。
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