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「なーんだ、そうだったのか、良かった」
「樹くん、早とちりは止めてくれよ」
「すいません」
「あははは」
「あははは」
樹は岩渡と和やかに笑いあう。
だがその肩をお姉ちゃんがちょんちょんと突っついた。
「ねえ、いいの? 時間」
「ん? あ、ああああああ!」
樹は思い出した。試合の時間が迫っているのだった。
「おじさん、大変だよ。試合が始まっちゃう」
「なにを言ってるのさ。まだ時間はたっぷり……」
言い掛けた岩渡は自分の腕時計を見て固まった。
「この時計……、と、止まっている……!」
そういうオチだった。
「急いで!」
樹たちは試合会場に急いだ。
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