第3話:少年とマッチョ

56/68
前へ
/244ページ
次へ
 身体の大きい岩渡はロックアップ状態のまま、力任せに一気に押し切ろうとした。だが拓斗はそれに付き合わない。ロックアップを解くと、身を滑らせるようにして岩渡の背後を取る。腰を抱えて後方へと反り投げる。ジャーマンスープレックスだ。 「!!!」  目の前を星が舞った。  まずい、いきなり良いのを貰ってしまった。  さすが若手人気レスラー。実力も本物だ。  岩渡は立ち上がると、間合いを取って回復をはかった。  拓斗はここぞとばかりに畳みかけてくる。  岩渡は防戦を余儀なくされた。
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加