第3話:少年とマッチョ

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 観客席に戻った樹はその戦いを固唾を飲んで見ていた。  隣ではお姉ちゃんが「そこだ!」「やっちまえ!」と声を張り上げている。  樹は驚いていた。  プロレスとはこんなに激しいものなのか。  リング上で戦っている岩渡は、道場裏で一緒に愚痴を言い合っていた時とはまるで違う。別人のように見えた。  こういう一面もあるということか。  はたして自分はどうだろうか?  僕もあんな風に強く……、  弱くても強くなれるの?
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