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4年後
美咲と別れてから、四年が経過した。
僕の仕事は順調だった。舞台のみでなく、映画やテレビドラマへの出演も増えてきた。
私生活はというと、あまり褒められたものではない。とくに恋愛面がまずい。
まずいというのは、別にファンの女の子に手を出しまくっているとか、そういうことではない。
むしろ逆だ。僕は人を好きになることがどうしてもできないのだ。
ファンや共演者の中には、素敵な女性がたくさんいる。付き合ってほしいと言われたことも、それなりにある。
でも僕は、それらすべてを断った。心が全く動かず、断らざるを得なかったのだ。
僕は今でも、美咲の幻影を追いかけている。
そう認めざるを得なかった。
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