僕は君に会いに行くよ

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 マジで本当、ってどういう日本語だ、意味不明じゃないかと思いながら宇津木の汗ばんだ顔を見つめているうちに思い出した。 「もしかして、僕がゲイとかいうくだらない噂か」 「違うのか」 「違う」 「本当に?」 「当たり前だろう。大体どこの誰がそんなことを言い出したんだ。あり得ない」 「言い出したのは俺だけど」  「え?」  それは予想外だった。  鈴木にその噂話を聞いた時は驚いたが、当時、話しかけられても愛想のない返事しかできない僕にむかついた女子が勝手に流した噂だと思っていた。 「何でそんなこと……」
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