僕は君に会いに行くよ

107/165
前へ
/165ページ
次へ
「私のせい?」  もう会わないと決めたのは宇津木だけじゃない、村上、お前も含まれているんだ、と暗に込めて言ってみる。 「全然関係ない」 「だってカケル、山田君に頼まれたからって言ってた。ごめん、私も一緒に謝るよ」 「何で村上が謝るんだよ?」 「だって私のせいでしょ?」 「違うよ」 「じゃあ、一緒に行ってくれる?」  村上はなかなかしぶとい。 「鈴木に頼めば?」  一瞬間があいた。 「……もしかして、鈴木と何かあった?」  返事はない。 「ひょっとしてコクられたんじゃないの?」  意識して軽い調子で言うように努めた。 「鈴木とくっついちゃえば?」  そうだ。  そうすれば全部まるく収まるじゃないか。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加