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「そんなにうまくいかないよ。っていうかだめでしょう、そんなの」
「どうして?」
「本当は、私、知ってたんだ。高校の時から」
え?
「知っていた、って何を?」
おそるおそる、聞いてみた。
「だって、気付くでしょう、普通。誰かに見られているような気がして、顔を上げるとたいてい鈴木君がいて、わかりやすい態度であわてて顔を背けるの。私、本当を言うとちょっといらいらしてた。だってそうでしょう? ちらちら見るばっかりでなんだか中途半端な感じ、だからわざと何回かチャンスを作ってあげたのに」
「チャンス?」
「告白されたらごめんなさい、って言うつもりだった。受験もあるし、それでお互いすっきりする方がいいと思って」
女って信じられないくらい残酷なことを平気で言うんだな。
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