僕は君に会いに行くよ

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 グラスを回して氷とガラスがぶつかる音を楽しみながら「日曜日に会うのは珍しい」と薄く笑った。 「誰に殴られたんだ? 君みたいなタイプが殴られるなんて珍しいこともあるもんだ。煩わしそうなことには近寄らないタイプだろう?」 「最近は煩わしいどころかもめごとにどっぷりつかっていたから」 「ああ、あの、同級生たち?」  静かに彼はグラスを置いた。 「でも、それって全部、想定内の出来事なんだろう?」  全部想定内。  そうだ。  最初から、わかっていて巻き込まれたんだ。
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