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宇津木は高校時代の僕にとって理不尽なものの象徴だった。
高校時代の三年間という期限があったからこそなんとか耐えられたのだ。
あと二年、一年、半年、一ヶ月と指を折って数え呪うように日数を数えていたことを、誰も知らない。
僕が宇津木に暴力を振るわれたり金をとられたりしていた(奪った金のことをもらった、と彼は言っていた)ことをみんな知っていたはずだ。もちろん、そういう目に遭っていたのは僕だけじゃない。
けれど、こうも思っていたはずだ。
また山田がやられている、と。
まあしょうがないよな、山田だもんな、そんな空気が流れていたことも知っている。いつも正しい村上でさえ、深刻に受け止めてはいない様子だった。
僕は宇津木とその仲間を憎みながら、それ以上に見て見ぬふりをしながら薄笑いを浮かべているようなクラスメイトを憎んだ。
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