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結局、一番活躍したのはカケルだったな。部屋の中で鈴木がつぶやいた。
「うん。まさかあそこまでやってくれるとは思わなかった」
鈴木の入れてくれたコーヒー(もちろんインスタントだ)をすすりながら部屋を見回す。
他人の部屋に入るという物珍しさに、ついついあちこち見てしまう。
変わったデザインの掛け時計(フレームが透明で時刻を示す数字の大きさがランダムで、長針と短針が浮き上がって見える)円と三日月を組み合わせたつるりとしたゴミ箱(どうやら分別ゴミのために二つに分かれているらしい)白いテーブルの下にはメンズ用のファッション雑誌が置いてある。
いかにもなるほどな部屋。
「けっこうおしゃれだね。この照明、北欧家具の店のだろう」
「おしゃれといえばおしゃれなんだけど、すぐに出所がわかっちゃうのが難点だよな」
「すぐわかったらダメなのか?」
「見た瞬間、ああこれあそこのだよねって言われるのはイケてないっつーか」
「自分が気に入っていたらそれでいいんじゃない?」
「自分のセンスに自信があればね」
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