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「ないのか」
「うわーそれ言っちゃう? だけど山田の部屋もなかなか酷いらしいじゃないか。村上が何もない部屋だって言っていたぞ」
「何もないわけじゃない。余計なものがないだけだ」
「人生には余計なものも必要だよ、山田君」
部屋で他愛のない話をしていると、まるで仲のいい友人同士のように思えて苦しくなる。
「村そういえば、村上は新しくパートの仕事を見つけたみたいだ」
「そうか。で?」
「で? って何」
「村上とはどうなった?」
「どうもなってないよ。っていうか、やっぱりどうしたって無理なんだって今回のことでよくわかったよ」
今回のことで?
どう言う意味だ。
「オレ、わかってたんだ。村上って高校の時、カケルのことが好きだったんだよ」
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