僕は君に会いに行くよ

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「え?」  細く息を吐き出して顔を(ゆが)めた。  笑ったつもりだったが、うまく笑顔を作れたのか自信がない。 「何だよ、それ」  鈴木は笑わない。 「これ、返すよ」  渡された白い封筒の中を覗くと、厚さ五ミリぐらいのプラスチックのカードが入っていた。 「何だよ、これ」  取り出して手のひらにおいてみる。  カード型のケースは割られていて、中に基盤(きばん)のようなものがあるのが見えた。 「盗聴器だ」
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