僕は君に会いに行くよ

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「盗聴器?」 「これが村上のバッグの内側に貼り付けてあったんだ。見つけてすぐに壊した」 「待てよ、鈴木。これが盗聴器だなんて嘘だろう?」 「お前は世の中で一番自分がえらいと思っているんだろうな」  部屋の中に入れてくれた時は、あんなにフレンドリーで呑気そうに見えたのに、どうやらそれは僕を油断させるための芝居だったらしい。  こいつぐらい簡単に手玉にとれると思っていた自分の甘さに「しまった」と思うがもう遅い。 「これが盗聴器だってわかったのはオレが盗聴器を見たことがあるからなんだ」
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