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「……心配だったから」
気圧されて小さな声で言ったとたん、押し倒された。
「やっぱりおまえだったのか。何でだよ、違うって、おれの考えは間違っているって、そう思いたかったのに」
僕の上に馬乗りになった鈴木の体全体が重くなり、腕に足に力が入ってくる。
「痛いよ」
「何でだよ」
両肩に手をかけて揺さぶる鈴木の顔はうつむいているせいか、興奮しているせいか、あるいは暑さのせいか、赤い。
なんだ、その不細工な面で純情貫いたりして笑っちゃうな。
「何で笑う。何がおかしい。お前はいつも人を馬鹿にして、何でだよ。何で」
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