僕は君に会いに行くよ

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 何でだ何でだ何でだと呪文のようにうるさいから、だんだん面倒臭くなる。 「何でだろうな、よくわからない。どうして今はそういったものが簡単に手に入るんだろうね。きっと僕みたいなやつが世の中にたくさんいるんだろうな。深く考えたわけじゃない。たまたま見かけて、なんとなく買って、ちょっと使ってみようかなと思って」 「何だよそれ、お前、言っていることがおかしいぞ」  首を左右に振って鈴木は体の力を緩め、僕の上から降りた。 「わからない。全然わからないよ」 「わからなくていいさ」
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