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「もやもやするんだ。嫌な考えばかりが浮かぶ。もしかして最初から全部嘘だったんじゃないか? 山田が考えた筋書きに村上はまんまと引っかかってオレや宇津木は」
僕はゆっくり起き上がった。
全部嘘?
僕の考えた筋書き?
白いテーブルに手のひらをついて体を支えた。
じんわり額のあたりがあつい、なのに背中から腕にかけて寒気が走り、鳥肌が立った。
何かが崩れそう、早く防がないと、崩れる崩れる崩れる。
「あ、ああああ」
喉の奥から奇妙な声が漏れた。
想定内の出来事なんだろう?
誰かを傷つけようとして結局傷ついているのは自分じゃないか。
静かな声が蘇る。
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