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そうだった。
そうだったよな、偶然出会って、このステキな偶然をこのままさよならするのももったいないから、折角だから少しばかり彼らのプライドをへし折るようなちょっとしたプレゼントを、と考えた。
まだ、なにをどうするかなんてその時は考えていなかった。
村上が住む場所欲しさにキャバクラに面接に行くまでは。
盗聴器は優秀だった。
当然だ。
当時、使い道など考えないまま、興味半分でいくつか買って、会社のゴミ箱の裏に貼り付けたりして性能を確かめていたのだ。
その中で聞こえが一番良かったものを村上のバックの内ファスナーのポケット側に貼り付けた。
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