僕は君に会いに行くよ

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 鞄の本体側ならともかく、ポケット側の生地なんてほとんど誰も見やしないから、ばれない自信はあった。  それから数日たって店のどこかに置かれたらしいかばんからき男の声と女の声(おそらく店長とレイナだ)の会話が聞こえたときは本当に驚いた。  夜中にうとうとしていた時にスピーカーから「村上凛に五百万つけちゃおう」と聞こえた瞬間に目がパチリと開いて跳ね起き、受信機のスピーカーのボリュームを最大にし、て耳を押し当てるようにして聞いた。  こりゃあ思った以上の収穫だ。  いやいや面白い、本当にヤバい話なら関わるのも考えものだけど、これなら大丈夫。  さあ、この先どうなる?  真っ暗な天井を見上げて盛大に笑った。
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