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「勘違いするなよ。僕はただ会話をこっそり聞いて、予想を立てただけだ。どこまでが真実なのかはわからなかったし、とぎれとぎれの会話がすべてとも限らない。逆に感謝してもらいたいくらいだ。僕がいなければどうなっていた? 盗聴器を仕掛けていなかったら騙されていることもわからずに、村上はありもしないクスリの代金を支払うために働かなくちゃならないところだったんだぞ」
崩れそうになる何かを、急いで作り上げた正当性をふりかざし、すんでのところでせき止めた。
そうだ、僕は正しい。
世の中は、知識と情報量がものをいうんだ。
そんなこともわからないなんて、どいつもこいつも頭が悪い。
そういうやつに限って、自分の頭の悪さをを棚に上げて「親切」や「協調性」をふりかざすんだ。
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