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「今回のやり方は納得できない」
「鈴木が僕を呼んだんじゃないか」
「そんなつもりで呼んだわけじゃ」
「自分一人で村上を救ってやる自信がないから、巻き添えにするためにあの日、おまえは僕を呼んだんだ。違うか?」
「違わない、けど……」
顔を歪める鈴木に「泣いたりするなよ。狡いぞ」と、とどめを刺す。
「オレ達はやっぱり仲良くなれそうにないな」
「なれるなら高校の時になっているよ」
「そうだな」
「帰るよ」
「ああ」
外へ出ると夏の日差しが目を射した。
道はまっしろで、どこにも影なんか見当たらない。
じわじわじわじわどこかでせみがないている、断末魔の叫びみたいに夏が終わるとわめいている。
僕ももう終わりだ、そうだ、もう限界なんだ。
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