僕は君に会いに行くよ

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 そもそもおまえにプレゼントなんて貰う資格はないんだよ」  背中のやわらかな弾力が僕に教える。  なのになぜ後生大事に持っている?   いっそ捨ててしまえよ。鬱陶しい。  はじめて誰かからもらったプレゼントがそんなに嬉しいのか?  裏切りの証の緑色の塊を大事そうに抱えてお前はバカなのか。 「そうだ。捨ててしまえばいい」  僕は立ち上がり、クッションを胸に抱えた。  ぎゅうと胸に押し付けると、苦いような痛いような感覚が走り思わず「ごめん」とつぶやいて、そのまま床に膝をついた。
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