僕は君に会いに行くよ

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 あの日「またね」と言ってくれたこと、助けてくれたこと、本当に感謝してる。ありがとう。  裏面にかかれた細かい文字。     緑色の塊を見るたび思い出すから捨てられない。 「またね」   六年ぶりに再会したあの日、帰り間際に何気なくかけたその言葉に、はっとしたように僕を見た村上がその時何を感じていたのかは、わからない。  お礼を言われるようなことを、しただろうか?   そもそも僕は本当に村上を助けたのだろうか?  助けたかったのだろうか?  違うよな。  違う。  認めたくないけれど。  僕は仲間に入りたかっただけなんだ。
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