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息を詰めるようにして僕は掛け布団からはみ出ている細くて白い腕や、首筋を見る。
見ているうちに隣で眠っているのが本当に僕の知っている村上凜なのか、わからなくなってきた。
本当にこんな顔だったのかこんな指だったのかこんな背中だったのか。
何度も寝返りを打って寝たのか寝ていないのかよくわからないまま薄明るくなってきた部屋の中、床に置いてある目覚まし時計を引き寄せた。
五時三分。
どうやら僕はあまり眠れなかったみたいだ。
それにひきかえ、村上ときたら身元は確かとはいえ、よく知らない男の部屋でよくもまあこんなに眠れるものだ。
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