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「もう終わります。あとは確認だけなんで」
カートリッジを押し込み、ふたを閉め「どうぞ」と場所を譲る。
「とりあえずコピーして確かめていただけますか」
「わかりました」
バタン、紙をはさみこんでスイッチを押すと、うーんと軽いうなりと共に光が走った。
「あ、大丈夫みたいです」
「じゃあこれで失礼します」
僕は頭を下げて総務部の課長の席へ向かうと書類を差し出した。
「こちらに印鑑かサインをいただけますでしょうか」
「はいはい」
ろくに目もあげずに印鑑を押し「ご苦労様」と言いながらパソコンの画面をスクロールし続ける。
「ありがとうございました」
頭を下げながら、コピー機に付随した人間扱いされない何かになってしまったような気持ちでフロアから立ち去ろうとした時、コピー機の前にいた女の子が振り向いて僕に向かって頭を下げてくれた。
「あ」
慌てて僕も軽い礼を返す。かろうじて人間に留まったな。
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