僕は君に会いに行くよ

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               *  友達のバッグを失くして五百万円請求されている。  村上の話はどう考えても普通じゃない。  そんなことは宇津木に言われなくてもわかっている。 「問題は」 僕はみんなの顔を見回す。 「みんなもう、わかっている、ってことだよね」 「はい?」  鈴木がわざとらしい素っ頓狂な声をあげた。 「何をわかってるって?」 「わざと理不尽な要求をされているってことをだよ」  う、と鈴木が声を詰まらせる。 「解決方法は三つ」  宇津木が自信たっぷりに指を三本胸の前に突き出した。
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