僕は君に会いに行くよ

　湯気ひとつ立っていない冷めきったコーヒーを村上は見つめる。

「みんなはどう思う？」

「お前が決めるんだよ、村上。自分のことなんだから」

がちゃん、乱暴な音を立てて宇津木は乳白色になったもとコーヒーの入ったカップをテーブルに置いた。

「学級委員会やってるんじゃねえんだぞ」

空気をフリーズさせる才能があるんじゃないかと思うくらいに僕らはぎゅうと固まった。
息を殺して村上の答えを待つ。

「……できるなら」
「じゃあ、できないな」

　宇津木は腰を浮かした。

「話は終わりだ。じゃあな」