僕は君に会いに行くよ

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僕が整理したメモを片手に宇津木はだるそうに口を開く。 「ハメられた?」 「そう」 「どこから?」 「最初から」 「最初?」 「東京のキャバクラで住む場所まで確保してくれるようなところ、ルームシェアで格安なんてそうそうないぞ。住む場所ないなんて言うからつけこまれたんだ」 「面接でどこに住んでいるの、って聞かれるたら答えるのが普通でしょう? 友達の所にいて落ち着いたら部屋を探すつもりだって答えただけよ」 「真面目さが抜けないんだな、学級委員は。世の中みんなルールを守って生きているなんて思ったら大間違いだぞ」
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