僕は君に会いに行くよ

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「村上を責めるなよ。悪いのは騙した方だろ。村上は悪くない」 「おまえらほんっとバカだな。五百万の請求イコールクスリって思ってるみたいだけど、そんなもん最初からなかったんじゃないの」 「はあ?」  僕と鈴木と村上はこれ以上ないってくらいの間抜けな声を出した。 「待って。さっき、カケルは最初から、って言ったよね? 最初から騙されてる、って」 「キャバクラに雇う名目で、ルームシェアを勧める。キャバクラ勤めは初めてだから服装や持ち物もレイナって子に借りればいい。そう言って必要なものを村上はレイナに借りることになる。それが日常化して疑いの気持ちがなくなった頃を見計らって仕掛ける、騙しの常套手段じゃないか」
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