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学級委員を務めていた村上はカケルに馬鹿と言われさぞかし、と思いきや彼女は眉をひそめ深刻な顔で一点を見つめていた。
「カケルは、最初から全部、って言ったよね」
「言ったよ」
「じゃあ、店長も、レイナも、レイナに何かを預けたって客も、もしかしてひったくり犯も、全部、仲間ってこと?」
宇津木の言わんとしていることがようやく僕にも飲みこめてきた。
「レイナって子を信用させて仲良くさせるために、わざと……」
住む場所も仕事も、レイナが主導権を握っている。村上が頼れるのは彼女だけだ。信用しきって全てを鵜呑みにするようになるまで時間はかからなかっただろう。
「初めてアフターがついて、その話をしたらとても喜んでくれてバッグを貸してくれた。これは特別なラッキーアイテムなの、だから使ってって」
「そして持って出かけたらチンピラに絡まれて奪われた」
「で、その話をして警察に被害届を出すと言ったら止められた」
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