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「おいおい」
宇津木は村上の腕を引く。
「お前、話をややこしくすんなよ。黙ってろ」
「ほんと、馬鹿」
レイナは薄く笑った。
「あんた、こういう世界に絶対向いてない。もう、あたしの前から消えて」
「それはこっちのセリフだろ。こいつに免じてこの件はチャラにしてやる。今の会話は録音しているから、変な真似をしたら警察に動いてもらうことになるぜ。ほら、行くぞ」
宇津木の声に村上は飛び上がるようにしてレイナと暮らしていた部屋から自分の荷物だけまとめると小さくお辞儀をして「さようなら」と部屋を出た、と宇津木は笑った。
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