僕は君に会いに行くよ

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何もかもがうまくいかない、それでもお金は必要で、住む場所もなくて、やっと見つかった仕事を選べる立場でもなく、渋々行けば自分よりはるかに成績も素行も悪かったワルの代名詞だったようなやつが一人前の社会人の顔をして現れる、村上は偶然というものをどんなにその時呪っただろう。 「オレもあんまり見たくなかったな。あいつはなんて言うか、ムカつくほど真面目だっただろ? いや別に掃除の仕事が悪いとかじゃないぜ。ただあまりにもイメージが違っていた……いや、そうじゃないな。実際、違っていたんだ」
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