僕は君に会いに行くよ

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「宇津木のいる会社ってさ、宇津木不動産、だよな」 「なんだよ、コピー機の売り込みにでも来るつもりか?  悪いけど、ちゃんとあるぜ。古いやつだけど、今んとこ、動いているよ」 「変な役をさせて悪かったな」  お似合いの役だ、宇津木しかできない、と思ったことは伏せておく。 「まあ、本当にやばかったら手伝わなかったけどな」 「そうなのか?」 「当たり前だ」 「なんでってわかった?」 「不動産業をなめんなよ。土地や物件ってのはいろいろな(から)みがあるからな、よーく調べなきゃなんないわけよ。はーん、なるほど。おまえ、俺を利用したな」
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