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懸命に捜索を続ける昴とアイ。
凛からの通信が入る。
「やっぱり、帝都女子大も同じだわ」
と、その時。
「ラブ様、3人見つけました。東京国際フォーラム新宿会館です」
「他の3人も多分そこね」
「東京国際フォーラム新宿…って」
昴が時計を見る。
「今そこでは、Angel corpseの解散コンサートが開催されています。しかも、全世界生中継で❗️」
「七森華奈も、そこにいる❗️」
「そんな…」
「紗夜、諦めるのはまだ早い!みんな頼んだぞ。私は新宿署と本庁に応援を要請する」
「凛、目黒へ❗️2人が危ない」
「了解。ヘリだから、3分で」
(武器は…まぁ何とかなるか!)
〜東京国際フォーラム新宿会館〜
会場は最高潮に盛り上がっていた。
ステージでは、中盤のソロパートが始まった。
「R:最っ高〜❣️」
「F:さすがDeathね、いい演出だわ」
「W:Red、間違えてたじゃん!」
「R:バレたか」
「H:Torchのヤツ、固いな」
「F:ラスの最初で最後の新曲が近いからね」
「R:次、Faireも間違いますように!」
「H:おいおい、やめろよな」
盛大な拍手と歓声の中、Torchが終わり、Faireがステージに現れた。
〜目黒の大邸宅〜
明かりが…消える。
本部の話は全て聞こえていた。
「来るぜ、淳一」
「フルオートにして来て良かったぜ!」
敷地内の像を挟み、互いに違う方向を見る。
片膝をつき、低く構え、万全の体勢であった。
と…戸澤に向けて、風が走った。
見えている淳一の銃が連射する。
「ダダダダダダッ」
危険を感じた戸澤が、像を蹴って転がる。
「ギンッ!」
戸澤がいた場所で火花が光り、像に一筋付く。
「バンバンバンバン!」
その先へ戸澤が放つ。
その間に、像を回り込み、淳一が戸澤のところへ身を移す。
「見えたか?」
「な〜んも。手応えもねぇ」
「これ行くか!」
「パンパン、パンパン」
4方向の斜め上へ、発光弾を撃つ。
集中して目を凝らし、耳を研ぎ澄ます。
発光弾が地に着く間際、煙が揺らいだ。
「右だ!」
「ダダダダダ」
淳一がそれへ向けて撃つ。
(草が揺れない…)
「上だ!」
2人共揺らいだ方へ向けて蹴り飛び、空へと撃ちまくる。
「バンバンバンバン」
「ダダダダダダ!」
「ジャリ」
「後ろ❗️」
「バンバン」
戸澤の弾が遅れた。
(来る!)
淳一が銃を向ける。
(間に合ねぇ!クソッ)
「ガキンッ!」「っ!」
咄嗟に振り下ろした銃に、下からの刃がぶつかり、銃を飛ばされた。
屋敷の方へ行き過ぎた敵が、踏み留まり、高く跳び戻って来る。
(ヤバい!)
「ドドーンッ💥💥」
「グッォ」
屋敷が大爆発し、爆風が敵を飛ばす。
「ドドドドドドドドドドッ💥❗️」
敵と2人の間に機銃が火を吹いた。
「伏せて!」
凛の声に伏せる2人。
ヘリから跳ぶ凛。
「ヒュン!」
ギリギリの距離で、刃が空を切った。
「ドガッ❗️」「グハッ❗️」
剣を振り抜いた斜め上から、凛の膝が捉えた。
よろめいて下がる結城。
動きが止まった。
「2人共大丈夫か?」
「凛さんか?助かったぜ」
「あの時の女か。誰だお前は?」
ダメージの回復を待つ時間稼ぎ。
「殺し屋の礼儀も忘れたか?服部修造」
そうと分かって、ラブを待つ凛。
「懐かしい名前だな。忘れておったよ」
(回復したか…距離8m、近すぎる)
と同時に、自機とは違うヘリの微かなサイレントモード音が聞こえた。
服部が高速で蹴り出す僅か先に、斜め後方へバク転で跳び、落ちて来たグリップを両手で握る。
着地と同時に刃を出し、敵へ地を蹴った。
横一閃の刃より、更に低く走る。
「ビュンッ!」
後ろ髪が切られた瞬間、地を蹴り僅か右へ体をかわし、双剣が羽を広げた。
「シュバッ❗️」
服部の動きが止まる。
その背後10m程先に凛が降りる。
「双剣の…箔傅凛」
「ドサッ」地に堕ちた。
「さて。誰だそれ」
唖然と見つめる淳一と戸澤。
「つ…強ぇ〜な💧」
「言葉、気ィつけような💧」
「凛、間に合って良かった」
「サンキュ。ラブ」
そこでラブの携帯が鳴った…。
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