【8】Angel or Devil

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〜東京国際フォーラム新宿会館〜 盛り上がったステージは、いよいよ終盤を迎えようとしていた。 すると突然真っ暗に。 ステージに、Witchが現れた。 「みんな〜盛り上がってるね〜❣️」 Witchファンを中心に歓声が反応する。 少し、静まるのを待つ。 「さてさて、ここでジャジャーン❗️皆んなへの最期のサプライズです❣️」 期待に膨らむ大歓声と拍手。 「皆んなあれ見えるよね?」 客席の上の方を指差す。 「あの丸いところは、中からは見える様になっててぇ〜5つあるでしょ!」 少し間を置く。 「もう分かるよね。あそこには、本物のAngel corpseのVsingerさんがいます」 それぞれを呼ぶ声や、期待する歓声が響く。 「最期のサプライズは、本物登場〜🎉🎉」 「T:何だと?」 「R:聞いてないぜ」 「F:マジかよ」 「ではでは、まずは私から❣️拍手〜👏👏」 割れんばかりの拍手と歓声。 「な〜んてね❗️アハハ」 『えぇ〜』 会場からの反応を楽しむ。 「H:冗談かよ」 「みんな一斉にオープン❗️❗️」 「なにっ⁉️」 「そんな…バカな⁉️」 車中でタブレットを見ていた昴が驚く。 イヤホンを外し、全員に音声を流した。 ステージのモニターにも5人が映る。 「まず私は、Witchこと、七森華奈❗️」 歓声に手を振ると、ステージ上のWitchも当然手を振る。 「皆んな出ておいでよ!」 仕方なくステージに、4人も現れた。 「次は、Heavenの常盤莉里〜❗️カッコイイ」 スポットライトが順に照らす。 「次は、Redこと月島風花〜❗️」 「風花!何だって⁉️」 ヘリの中で妹の登場に驚く凛。 「4人目は、Faireの水無月恵美〜❗️」 「最後に、我らがリーダー、Torchこと橘花涼音で〜す❣️」 それが合図の様に、誘導された6人の意識が正気に戻る。 ステージのモニターには、大学名も出ていた。 「な、何よこれ⁉️、涼音何やってるの!」 「莉里!あなたこんなことを⁉️」 「恵美⁉️私に黙ってこんな…恥ずかしい❗️」 「七森さん、あなた…何考えてんのよ⁉️」 「風花さん!まさかあなたが…」 パニックに陥る6人。 羽間瑠璃(はざまるり)が出口に向かったが、開かない。 「七森…あ、いや、Witch何考えてんだ?」 名前のややこしさと、間違えて焦るHeavenの動作も笑いを誘う。 その時、莉里は違和感に気付いた。 他の3人は、今は全く動じていないこと。 そして、莉里の人間観察で鍛えた能力は、驚きの事実も知った。 (あいつらは、あの時の教授グループ) 先日のユニバース交流会である。 (メディカルの紳士) (エンジェルでもめてた連中) (酔い潰れてたやつ) (さわいでた酔っ払い) (ホテルの従業員まで…) 全体を見渡して確信した。 (あの時のメンバーが、全員いる❗️) しゃがんでマイクを切り、電話を掛ける。 「あれ、何やってるの、隠れても見えてるよ」 慌ててHeavenを消す莉里。 直ぐに客席からのブーイングが響く。 「ラブです。莉里さん、あなた達がAngelだったなんて…」 「私達も、お互いは知らなかったんです。こんな暴露は聞いてない。七森華奈が仕組んだ罠だ。涼音も恵美も風花も様子がおかしいし」 「操られてるってことね?」 「そうです。それだけじゃない。ユニバース交流会の会場にいた全員が、ここにいるんです❗️」 「何ですって❗️つまり、各大学の優秀な生徒と教授がみんないるってことね?」 「そうです。きっと何か悪いことを企んでいるはず。みんなを助けてください、ラブさん❗️」 「莉里さん。実はそこに…6大学の院長と学長もいます。…あなたのお母さんも」 通信が入る。 「ラブさん、現場に着きました。まさかあの娘達がVsingerだったなんて…」 「紗夜さん、結城は死にました。淳一さんと戸澤さんは無事です。何とか中へ入れないですか?」 「それが、どこも改修されてて、中からロックされています。今消防に連絡して重機を呼びました」 「ラブさん、私はどうすれば…」 「外からは開かないのよ、中からはどう?」 ドアを試してみる莉里。 「ダメです、開きません」 「考えるから、電話は切って。中の様子はWebで見えてるから」 心配する者とは裏腹に、会場やネットで見ている全世界の観客達は、期待通りの若くて美形の5人に、大満足していた。
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