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〜東京国際フォーラム新宿会館〜
盛り上がったステージは、いよいよ終盤を迎えようとしていた。
すると突然真っ暗に。
ステージに、Witchが現れた。
「みんな〜盛り上がってるね〜❣️」
Witchファンを中心に歓声が反応する。
少し、静まるのを待つ。
「さてさて、ここでジャジャーン❗️皆んなへの最期のサプライズです❣️」
期待に膨らむ大歓声と拍手。
「皆んなあれ見えるよね?」
客席の上の方を指差す。
「あの丸いところは、中からは見える様になっててぇ〜5つあるでしょ!」
少し間を置く。
「もう分かるよね。あそこには、本物のAngel corpseのVsingerさんがいます」
それぞれを呼ぶ声や、期待する歓声が響く。
「最期のサプライズは、本物登場〜🎉🎉」
「T:何だと?」
「R:聞いてないぜ」
「F:マジかよ」
「ではでは、まずは私から❣️拍手〜👏👏」
割れんばかりの拍手と歓声。
「な〜んてね❗️アハハ」
『えぇ〜』
会場からの反応を楽しむ。
「H:冗談かよ」
「みんな一斉にオープン❗️❗️」
「なにっ⁉️」
「そんな…バカな⁉️」
車中でタブレットを見ていた昴が驚く。
イヤホンを外し、全員に音声を流した。
ステージのモニターにも5人が映る。
「まず私は、Witchこと、七森華奈❗️」
歓声に手を振ると、ステージ上のWitchも当然手を振る。
「皆んな出ておいでよ!」
仕方なくステージに、4人も現れた。
「次は、Heavenの常盤莉里〜❗️カッコイイ」
スポットライトが順に照らす。
「次は、Redこと月島風花〜❗️」
「風花!何だって⁉️」
ヘリの中で妹の登場に驚く凛。
「4人目は、Faireの水無月恵美〜❗️」
「最後に、我らがリーダー、Torchこと橘花涼音で〜す❣️」
それが合図の様に、誘導された6人の意識が正気に戻る。
ステージのモニターには、大学名も出ていた。
「な、何よこれ⁉️、涼音何やってるの!」
「莉里!あなたこんなことを⁉️」
「恵美⁉️私に黙ってこんな…恥ずかしい❗️」
「七森さん、あなた…何考えてんのよ⁉️」
「風花さん!まさかあなたが…」
パニックに陥る6人。
羽間瑠璃が出口に向かったが、開かない。
「七森…あ、いや、Witch何考えてんだ?」
名前のややこしさと、間違えて焦るHeavenの動作も笑いを誘う。
その時、莉里は違和感に気付いた。
他の3人は、今は全く動じていないこと。
そして、莉里の人間観察で鍛えた能力は、驚きの事実も知った。
(あいつらは、あの時の教授グループ)
先日のユニバース交流会である。
(メディカルの紳士)
(エンジェルでもめてた連中)
(酔い潰れてたやつ)
(さわいでた酔っ払い)
(ホテルの従業員まで…)
全体を見渡して確信した。
(あの時のメンバーが、全員いる❗️)
しゃがんでマイクを切り、電話を掛ける。
「あれ、何やってるの、隠れても見えてるよ」
慌ててHeavenを消す莉里。
直ぐに客席からのブーイングが響く。
「ラブです。莉里さん、あなた達がAngelだったなんて…」
「私達も、お互いは知らなかったんです。こんな暴露は聞いてない。七森華奈が仕組んだ罠だ。涼音も恵美も風花も様子がおかしいし」
「操られてるってことね?」
「そうです。それだけじゃない。ユニバース交流会の会場にいた全員が、ここにいるんです❗️」
「何ですって❗️つまり、各大学の優秀な生徒と教授がみんないるってことね?」
「そうです。きっと何か悪いことを企んでいるはず。みんなを助けてください、ラブさん❗️」
「莉里さん。実はそこに…6大学の院長と学長もいます。…あなたのお母さんも」
通信が入る。
「ラブさん、現場に着きました。まさかあの娘達がVsingerだったなんて…」
「紗夜さん、結城は死にました。淳一さんと戸澤さんは無事です。何とか中へ入れないですか?」
「それが、どこも改修されてて、中からロックされています。今消防に連絡して重機を呼びました」
「ラブさん、私はどうすれば…」
「外からは開かないのよ、中からはどう?」
ドアを試してみる莉里。
「ダメです、開きません」
「考えるから、電話は切って。中の様子はWebで見えてるから」
心配する者とは裏腹に、会場やネットで見ている全世界の観客達は、期待通りの若くて美形の5人に、大満足していた。
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