143人が本棚に入れています
本棚に追加
〜臨時対策本部〜
「それが狙いだったなんて⁉️なんてやつら!クソッ、なんとかならないの💢❗️」
怒りに吠える咲。
「そのためにユニバース交流会を…」
余りにも無情で、利己主義な行いに、憐れみさえ感じる紗夜。
「生徒達を何だと思ってやがんだ!貴重な頭脳を利用しやがって❗️紗夜、入れねぇのか?」
淳一と戸澤が着いた。
熱り立つメンバーを、手で制するラブ。
「まだ七森に殺気はない。刺激は避けて、彼女の狙いを探りましょう」
ラブの言葉に、何とか落ち着きを取り戻そうとする仲間達。
「生体組織を脳に操作させれば、自ら心臓を潰すことも可能と考えられます」
アイが、七森以外の犯行を示唆する。
「タブレットで彼女が書いていたのは、愛し合う2人を守るため…」
「確かに…最初テーブルに書いた時も、水無月恵美を守った…。斉藤智鶴も守るはずだった」
「なるほどな、ラブさん。タブレット端末に書いた時は、莉里は何を書いているか見えなかった…テーブル上とは違って」
戸澤のイメージが、皆んなに伝わる。
「つまり逆さ五芒星は、誰も差してはいなかったってことね。確かに、天井にでもいない限り無理だわ!」
恐るべき策略の真実を知り、七森華奈の描いている結末が、より深い闇へと消えていく。
〜場内〜
「他の邪魔な人達を殺したのは、あなたね、Torch❗️」
再び、ピタリと止む騒めき。
「チッ!おっかしいんだよな〜ラストソングのデータは華奈、お前にも送ったんだかな?まさか、聴いてないのかぁ?」
つまりは、華奈の問いに、YESと答えた涼音。
「私はこれで守られているからよ」
首に掛けた六芒星のペンダント。
華奈の母の形見である。
「クソっ、この魔女が❗️」
もうそこに、あの優等生の橘花涼音はいない。
「勝ったつもりか?魔女め。例え私やアソコのマヌケ達を殺しても、ユニバースの優秀な彼等なら、やがてアレに気が付くさ」
「マヌケは、オマエだよ涼音❗️」
ニヤリと笑う華奈。
「そもそも私は、ハーモニック大の生徒なんかじゃないし。Witchやってて、ソロのTorchの曲を聴いて気付いたのよ、異常な旋律にね」
「なんだと?」
涼音の動揺が見てとれた。
「だから調べて近付いた。そして私は…父が殺された時に復讐を誓い。…母の留守に、母から見よう見真似で教わった黒魔術で…悪魔と契約を交わした」
「悪魔と?馬鹿馬鹿しい、やはりイカれてるな」
「フッ…Torchまだ気付いてないわね。IQ250のHeavenは気付いているのにねぇ、莉里?」
「や…やはり華奈…おまえあの時に!」
「そう。第三回ユニバース交流会。あの時に、全員に暗示をかけたのよ。Torchにもね❗️」
「そんなバカな…」
客席を見回し、涼音も気付いた。
「あの時集まった人は、私のスピーチを聞いて、今…全員ここにいるんだよね〜。だから…ここにいる全員を殺せば、あのシステムの技術を知る者は1人もいなくなる。莉里、あなたは直ぐに会場を出てバーへ行った。だから、暗示にかからなかったのね」
それを知った客席が騒ぎ出し、もがくが…椅子から離れられない。
あの時。
スピーチの後、会場を抜け出た七森。
洗面所で笑った理由は、そこにあった。
最初のコメントを投稿しよう!