【終章】究極の代償

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〜臨時対策本部〜 「それが狙いだったなんて⁉️なんてやつら!クソッ、なんとかならないの💢❗️」 怒りに吠える咲。 「そのためにユニバース交流会を…」 余りにも無情で、利己主義な行いに、憐れみさえ感じる紗夜。 「生徒達を何だと思ってやがんだ!貴重な頭脳を利用しやがって❗️紗夜、入れねぇのか?」 淳一と戸澤が着いた。 (いき)り立つメンバーを、手で制するラブ。 「まだ七森に殺気はない。刺激は避けて、彼女の狙いを探りましょう」 ラブの言葉に、何とか落ち着きを取り戻そうとする仲間達。 「生体組織を脳に操作させれば、自ら心臓を潰すことも可能と考えられます」 アイが、七森以外の犯行を示唆する。 「タブレットで彼女が書いていたのは、愛し合う2人を守るため…」 「確かに…最初テーブルに書いた時も、水無月恵美を守った…。斉藤智鶴も守るはずだった」 「なるほどな、ラブさん。タブレット端末に書いた時は、莉里は何を書いているか見えなかった…テーブル上とは違って」 戸澤のイメージが、皆んなに伝わる。 「つまり逆さ五芒星は、誰も差してはいなかったってことね。確かに、天井にでもいない限り無理だわ!」 恐るべき策略の真実を知り、七森華奈の描いている結末が、より深い闇へと消えていく。 〜場内〜 「他の邪魔な人達を殺したのは、あなたね、Torch(涼音)❗️」 再び、ピタリと()む騒めき。 「チッ!おっかしいんだよな〜ラストソングのデータは華奈、お前にも送ったんだかな?まさか、聴いてないのかぁ?」 つまりは、華奈の問いに、YESと答えた涼音。 「私はこれで守られているからよ」 首に掛けた六芒星のペンダント。 華奈の母の形見である。 「クソっ、この魔女が❗️」 もうそこに、あの優等生の橘花涼音はいない。 「勝ったつもりか?魔女め。例え私やアソコのマヌケ達を殺しても、ユニバースの優秀な彼等なら、やがてアレに気が付くさ」 「マヌケは、オマエだよ涼音❗️」 ニヤリと笑う華奈。 「そもそも私は、ハーモニック大の生徒なんかじゃないし。Witchやってて、ソロのTorch(オマエ)の曲を聴いて気付いたのよ、異常な旋律にね」 「なんだと?」 涼音の動揺が見てとれた。 「だから調べて近付いた。そして私は…父が殺された時に復讐を誓い。…母の留守に、母から見よう見真似で教わった黒魔術で…悪魔と契約を交わした」 「悪魔と?馬鹿馬鹿しい、やはりイカれてるな」 「フッ…Torch(オマエ)まだ気付いてないわね。IQ250のHeavenは気付いているのにねぇ、莉里?」 「や…やはり華奈…おまえあの時に!」 「そう。第三回ユニバース交流会。あの時に、全員に暗示をかけたのよ。Torch(オマエ)にもね❗️」 「そんなバカな…」 客席を見回し、涼音も気付いた。 「あの時集まった人は、私のスピーチを聞いて、今…全員ここにいるんだよね〜。だから…ここにいる全員を殺せば、あのシステムの技術を知る者は1人もいなくなる。莉里、あなたは直ぐに会場を出てバーへ行った。だから、暗示にかからなかったのね」 それを知った客席が騒ぎ出し、もがくが…椅子から離れられない。 あの時。 スピーチの後、会場を抜け出た七森。 洗面所で笑った理由は、そこにあった。
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